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研究テーマ

現在は主に3つのテーマ(①細菌のバイオフィルム形成機構、②細菌の酸化ストレス耐性機構、③人工共生(光合成微生物+細菌)による有用多糖生産システムの構築)について研究を進めております。

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​細菌のバイオフィルム形成機構の解明

自然環境中の細菌がつくるバイオフィルムは、主に細胞外多糖、タンパク質からなる線毛、細胞外DNA等の生体高分子から成る膜構造体であり、それらの構成成分はバイオフィルム中に含まれる細菌種によって異なり、外部環境ストレスから内部の細菌を守る重要な役割を担っています。私たちが研究対象としている大腸菌は、主要なバイオフィルム構成成分としてアミロイドナノファイバーを生産することが知られています。私たちは新たな繊維材料としても注目されているアミロイドナノファイバーの形成に関わる遺伝子の探索と機能解明、それら遺伝子発現制御機構の全容解明を目指して研究を行っています。

細菌の酸化ストレス耐性機構の解明

私たちは傷口の殺菌・消毒を目的にオキシドール(過酸化水素を薄めたもの)を使用したり、普段の生活の中でテーブルや椅子等の殺菌を目的に次亜塩素酸水を使用することがあります。私たちの体内に侵入してきた病原細菌は、好中球によって取り込まれ殺菌されますが、その殺菌にも好中球内でつくられた過酸化水素や次亜塩素酸が用いられていることが明らかとなってきています。私たちは細菌が外部環境からの過酸化水素や次亜塩素酸による攻撃に対して、防御機構を働かせる仕組みについて研究しています。

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微生物共生(光合成微生物+細菌)による有用多糖生産システムの構築

​バクテリアセルロース(BC)は植物由来のセルロースに比べ純度が高く、精製が容易であり、その生産には主にGluconacetobacter属のBC高生産株が用いられます。しかし、培養コストの高さから、BCの産業界での利用はあまり進んでいません。本研究では、BC生産コストの削減を目指して、光合成微生物とBC生産菌との共培養によるBC生産システムの構築、および共生体形成機構の解明を進めています。また、福井県立大の大城香名誉教授らによって屋内培養技術が確立され、ドラフトゲノムに対する遺伝子のアノテーション解析により約4400遺伝子が予測されている淡水生単細胞ラン藻のスイゼンジノリ(Aphanothece sacrum)について、その共生細菌の同定とスイゼンジノリの増殖および有用多糖(サクラン)生産性へ与える影響等について研究を進めています。

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©2021 by 信州大学 遺伝子実験支援部門 小笠原研究室

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